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なぜ今DLPが重要視されるのか?

2024年4月4日

近年、企業はAI(人工知能)の導入を加速させています。AIは業務の効率化や意思決定の改善、顧客サービスの向上など多岐にわたる利点をもたらします。しかし、AIを導入する際には、データセキュリティの重要性を十分に考慮する必要があります。特に、データの保護と漏洩防止のために、DLP(Data Loss Prevention)が重要な役割を果たします。顧客情報、取引記録、機密情報など、これらのデータを保護することは企業にとって不可欠です。AIの導入により、データの取り扱いが増えると同時に、データが不正にアクセスされたり、外部漏洩のリスクが増します。情報の保護に敏感な昨今で、情報事故の発生は企業の信頼と評判に深刻な影響を与える可能性があるため企業は各々で情報を確実に守る必要があります。

そもそもDLPって何?

DLP(Data Loss Prevention)は、データの流出や漏洩を防止するためのセキュリティ対策の一つです。簡単に言えば、DLPは組織が重要なデータを保護し、不正な使用や流出から守るための仕組みです。特定の条件に基づいてデータの利用、共有、送信などを監視し、不正な活動を検知し情報を保護し、企業のデータセキュリティを強化し、情報漏洩や機密情報の流出などのリスクを最小限に抑えることが可能となります。

DLPの主な機能や手法は次のとおりです。

  • データの特定と分類

DLPは、組織内のデータを特定し、そのデータを重要度や機密度などの基準に基づいて分類します。例えば、社内の機密情報や個人情報などのデータを特定し、適切なセキュリティ対策を実施します。

  • データの監視と検出

DLPは、データの流れを監視し、特定のポリシーや規則に従ってデータの使用や移動を検出します。例えば、社外への機密情報の送信や、USBドライブへのデータのコピーなどを検知します

  • ポリシーの適用と制御:

DLPは、組織が定めたポリシーや規則に基づいて、データの使用や移動を制御します。これには、データの暗号化、アクセス制御、コピー禁止などのセキュリティ対策が含まれます。

  • アラートと通知

DLPは、不正なデータの使用や流出が検知された場合に、管理者にアラートや通知を送信します。これにより、即座に対処することが可能になります。

DLPとAIが切っても切り離せない理由

AIの導入においてDLP(Data Loss Prevention)は切っても切り離せない要素です。なぜなら、AIは大量のデータを処理し、分析するため、データのセキュリティが極めて重要だからです。DLPはデータの流れを監視し、不正なデータの流出や漏洩を防止する役割を果たします。また、AIが取り扱うデータが個人情報や機密情報である場合、コンプライアンスの遵守や不正行為の検知と防止、データの機密性とプライバシーの保護が求められます。これらの理由から、DLPとAIは密接に関連し、相互補完的な役割を果たします。企業がAIを導入する際には、DLPの適切な実装を行うことが不可欠です。

以下の観点からほとんどの企業でAIの導入時にDLPを重視しています。

  • データの監視と制御

AIシステムは大量のデータを処理し、生成するため、データの流れを監視し制御することが重要です。DLPは、データがAIシステムを通過する際に、不正な流出や不適切な操作を検知し、防止する役割を果たします。

  • 機密情報の保護

AIシステムは機密情報を含むデータにアクセスすることがあります。DLPは、機密情報を特定し、そのデータの取り扱いを制御することで、機密性を保護します。例えば、機密情報を含むデータの暗号化、アクセス制御、転送制限などがあります。

  • 不正行為の検知と防止

AIシステムが不正な活動や挙動を示す可能性があります。DLPは、不審なパターンや異常なアクセスを検知し、それらの活動を防止することで、セキュリティを強化します。

  • コンプライアンスの遵守:

多くの産業や地域では、データの取り扱いに関する法的要件や規制があります。DLPは、これらの規制に準拠するためのポリシーやプロセスを適用し、コンプライアンスを確保します。AIシステムが法的コンプライアンスを満たすための規制順守の一環として、DLPは不可欠です。

DLPを導入するには?

ここまでのお話の中でAIを活用する企業にとってセキュリティが非常に重要なものであることはご理解いただけたかと思います。DLPに関しては様々な企業のアプリケーションで設定することは可能です。しかし、日本の60%の企業が利用しているMicrosoft365の一部ライセンスにはDLPポリシーを設定し、機密情報の保護を強化する機能が含まれています。DLPポリシーを適用することで、特定の条件に基づいてデータの利用、共有、送信などを監視し、不正な活動を検知し防止することができます。そのほかにもMicrosoft365には以下のセキュリティ機能が含まれており、セキュリティをMicrosoft365でまとめることも可能です。

  • 情報分類とラベリング

Microsoft 365では、情報の分類とラベリング機能を利用して、データを機密性の高い情報や一般情報などのカテゴリに分類し、適切なラベルを付与することができます。これにより、データの機密性や取り扱い方針に応じたアクセスや制御を実施する機能

  • エンドポイントからのデータ保護

Microsoft 365には、エンドポイントデバイスからのデータ保護機能が組み込まれています。エンドポイントデバイスでのデータの暗号化、リモートワイプ、遠隔操作によるデータ削除などの機能を活用して、デバイスレベルでのセキュリティを強化する機能

  • 監査とレポート

Microsoft 365では、データの利用状況やセキュリティイベントの監査を行うことができます。これにより、データの利用履歴やセキュリティインシデントの追跡が可能となり、セキュリティポリシーの遵守やセキュリティ脆弱性の特定を行う機能

まとめ

ブログのまとめの文章:

AIの導入におけるDLP(Data Loss Prevention)は、データのセキュリティを確保する上で不可欠です。大量のデータを処理するAIシステムは、機密情報や個人情報を含むデータを取り扱うため、データの流出や漏洩を防止する必要があります。DLPは、データの監視や制御を行い、不正なデータの流出や漏洩を防止します。また、AIが取り扱うデータの機密性やプライバシーの保護、コンプライアンスの遵守、不正行為の検知と防止にも重要な役割を果たします。AIの導入に際しては、DLPの適切な実装が必要不可欠です。データのセキュリティを確保し、信頼性を高めるためにも、DLPの重要性を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

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駒井 源之丞(gennojo komai)

お客様の成功を支援するセールスマネージャーとして日々猛進中です! 前職でのMicrosoft 365とPowerPlatformのコンサル経験を活かし、業務効率化でお客様のビジネス変革をサポートしています。 AI、デジタルツインなどの先進技術と革新的なソリューションで最適なサービスをご提案いたします。

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